この前、その1を書いたのですが、
私の母はいつも、
「ウチは貧乏だから」と言っていました。
高給取りや安定した職業の人を羨ましく思う一方、
そういう人にありがちなことを批判していました。
そして、
宝くじに当たりたい、とか、
安くものを買えた!嬉しい!とか、
いつも言っています。
その影響か、お金を稼ぐ、ということに、
罪悪感を抱いて大人になりました。
それでも生活していくにはお金が必要。
高校を卒業したら、大学に行く気もないし、
そもそもお金を出してもらえると思ってないし、
行ってまでしたい勉強もないし、
建築に興味があったので、
工業高校の建築科を卒業しました。
そんな私が高校を卒業して、
最初に勤めた会社の社長と専務に、
先日お会いしてきました。
実は、長男が小さい時に何度かお邪魔したんですけど、
それ以来なので9年ぶりくらいでした。
お世話になった=ずいぶんご迷惑をかけた、
という意味では、今思えば土下座ものです。
高校を出たばかりの、
なんにも使えないような頭でっかちな娘っこを雇って、
給料はもちろん、
研修などにもずいぶんお金を使ってもらいました。
それに、営業というよりは広報というか、
チラシ配りと施主さん回り、後は雑用という、
なんとも成果の上がってるのか分からないような、
ふわふわした仕事をしていました。
今であれば、それでお金もらえるなんてラッキー!
って感じですが、その時は就職に夢も抱き、
自分に対する夢、というか妄想、
過大な自信というか、そんなのがあったのかも。
大した仕事も出来ないのに大きい顔をしていたと思います。
でも、特に資格があるわけではないし、
自分にやれるのは、その程度。
さらに、自分が勧めたい住宅というものも、
あやふやな状態なのに、
お客様に接して宣伝するということに対する、
「自分に嘘をつく」こと…
たぶん、その頃から私は、
自然素材の家とかが好きだったんでしょうけど、
勤めた会社では、
社長が新しいものをどんどん取り入れる方で、
もちろん体に悪いものは使わないとか、
強度を強くするとか、
お客様にとっても良いことではあるものの、
自分の好きなものではないこと…
その辺での、自分の中での矛盾もありました。
そして、やたら福利厚生にうるさい母のせいか、
お金をもらうのは当たり前と思う一方、
お金をもらうことへの罪悪感。
その一方で、仕事してるようでしてない状況や、
初めてのお勤めということ、
年齢の全然違うお客様への接客、
いろいろな人間関係に疲れてしまって、
1年半で辞めてしまいました。
それでも、社長も専務も(ご夫婦です)、
「いやいや、多希さんは優秀と聞いたから雇ったんだし、
とっても熱心なイイ子だから、今も色々頑張ってるみたいだし、
素晴らしいじゃないか。よかったよかった。」
と、突然の訪問を喜んでくれました。
自分も親になり、起業して、
社員を雇うということの大変さを思うと、
なんて懐が広いんだ―!と感動しました。
私は、辞めたことで後ろめたく思っていましたが、
こうやって自分が辞めたことに対して、
ちゃんと向き合ったことで、
当時の全部が、良い思い出に変わったように思います。
心のつっかえが一つ消えました。
ケーオーハウジングの社長、専務、
本当にお世話になりました。
私はご縁あって、
県産の木材で建てる自然素材の家を得意とする、
県木住さんで建てますが(笑)、
社長も専務も、まだまだお元気で頑張ってください❤
ありがとうございました!
ホホラカメ 高杉多希
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