1月頭に参加した、
櫻庭露樹さんの講演会で、
「人生を変えるほどお世話になった10人」
に直接会ってお礼を伝えようシリーズの、
第3人目に会ってきました。
一番緊張したかもしれん。
それは、最初に就職した工務店を辞めて、
就職活動を行っていた時のこと。
パソコンの資格も建築の資格もなく、
ただ勤めて、ただ辞めただけの19歳の小娘に、
現実は厳しく、早くも挫折感でいっぱい…
そんな時に目に留まったのが、
地元に古くからある写真館でした。
とはいっても、そこで写真を撮ったこともなく、
自分の学区外なので、ハローワークで初めて知ったくらい。
とにかく、働かなければ払うものも払えず。
高校卒業したのに、親に迷惑かけるなんて!
と必死になって、面接を受けに行きました。
無事採用され、働くことになったものの、
写真の知識が全くない私。
そして、まだデジタルカメラが出始めたばかりの頃。
さらに、そこは写真の質にこだわり、
4×5というハガキ大のフィルムで、
婚礼写真などを撮影する写真館。
毎日が緊張の連続でした。
撮り直しは利きませんし、
ましてや撮影してすぐに仕上がりを確認すらできません。
フィルムに指紋はついていないか。
(4×5のフィルムは、自分で出し入れします。)
露光したりしていないか。
そもそも構図は大丈夫だったのか?
変なものは写り込んでいないか?
気にし出したら、キリがないほどに。
撮影の翌日の、フィルムの現像まで気が気ではありませんでした。
さらに、現場ごとに臨機応変な対応を求められる状況。
しかし、その頃の私には、そんな度胸も、力量も、
コミュニケーション能力もありませんでした。
上手くいかなくては落ち込む日々。
バカ高い自己啓発の通信販売に手を出しちゃったりしました…
今思えば、語気は強くとも、
店長とチーフのご夫婦は、
温かく見守ってくれていたんだなぁと思いますが。
それ以前に、写真を仕事にする、ということに、
やっぱり向いていなかったんじゃないかと思います。
毎日の精神的に追い込まれ、追い込み、
胃が痛くなりました。
1年半勤めて、辞めさせてもらうことにしました。
出来ないなりに頑張ろうとしましたが、
頑張るという気持ちを信じて雇ってもらってましたが、
それを裏切る形になってしまい、
ずーっと後ろめたい思いを抱えていました。
私が今、写真を撮るのがわりかし上手なのは、
そこで毎日毎日、写真を撮っていたからです。
集合写真を撮る時に仕切れるのは、
そこで学校アルバムや婚礼の集合写真を撮っていたからです。
着物の着付けが出来るのも、
成人式の写真を撮影する時に、
着付けのヘルプに入っていたからです。
でも、辞めてしまった…
店長もチーフも、どんな風に思ってるんだろう…
訪問する前に電話をした時は、
いなければ行かなくてもいい、と思ったほどでしたが、
気合いを入れて、行きました。
結果…
とっても、温かく迎えてくれました。
「もう!なんで辞めたのよ!!」
とチーフが笑って言ってくれました。
店長の家も県木住さんで建てた、の話になったら、
「どれどれ。多希の家はどんなんだ?載ってる?」
とノートパソコンを奥から持ってきて、
「写ってるじゃーん」と笑ってくれました。
当時一緒に働いてたNさんは、
孫が生まれたとニヤニヤ教えてくれました。
私の周りは、いつだって温かかった。
期待に応えることは出来なかったけど、
だからこそ心配もかけていたのかもしれません。
店長の撮るお客様の表情はいつだって最高の笑顔。
その笑顔を一生懸命に引き出そうとする店長を思い出すと、
もちろん最高の笑顔で、本当に一生懸命で。
そんな職場で働けて、本当に良かったなぁと思います。
田村写真館の店長・田村さん、本当にありがとうございました!
皆さん、写真のご用命は、ぜひ田村写真館で!!
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