油の薬品抽出の方法とは?分かりやすく解説しました。

油と言えば、大豆や菜種や胡麻などを、

ぎゅっと絞って作るもの!

と思ってる方も多いのですが、

 

一般的にスーパーで売られているものは、

薬品で抽出されているものがほとんど。

 

え?薬品で抽出ってどういうこと?

 

薬品抽出について学ぶよりも、

圧搾の良い油を使えば問題ないので、

別に知らなくっても良いけれど、

 

私も一口にはお伝え出来ないので、

今回記事に書いてみました。

 

 

参考にしてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

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つぶつぶ雑穀料理を青森県弘前市で伝えています。

 

雑穀と野菜で作る家庭料理教室

たきさんちの高杉多希です。

 

訪問してくれてありがとうございます。

 

 

レッスンでは、いつも、

「菜種油とごま油がおススメですよ」

とお伝えしています。

 

 

オリーブオイルは、お楽しみ用です。

もともと日本のものではないですからね。

 

 

 

(平出油屋さんの油が良かったけど、

閉業してしまいましたからね…

ただいま、油ジプシーです💦)

 

 

焙煎して絞った油は、

「圧搾」と表示してあります。

 

書いていないものは、

すべて薬品抽出と思っていいです。

 

 

圧搾の場合は、

1.原料を焙煎

2.砕く

3.絞る

4.湯洗い

5.濾過

となるわけですが、

 

 

薬品抽出の工程は、

それらに加えて、

 

1.原料を有機溶剤に溶かす

2.蒸留し、有機溶剤を揮発

3.温水&遠心分離でリン脂質を除去(脱ガム)

4.苛性ソーダで遊離脂肪酸を石鹸化して除去(脱酸)

5.活性白土で脱色

6.冷却して「ろう」成分を除去

7.高温蒸気で有臭成分を脱臭(精密ろ過)

 

というものが加わります。

 

 

順番に一つずつ、ご説明していきます。

 

 

工程1.原料を有機溶剤に溶かす

 

 

この有機溶剤は、

毒性の強い「ノルマルヘキサン」が使われるそうです。

 

ノルマルヘキサンは、石油系で、

無色・無臭・透明、水分を含まない、発火性の高い液体。

 

機械の洗浄や、シールはがし、金型はがしにも使われます。

 

 

毒性としては、

多発性神経障害、末梢性神経障害、

多発性神経炎の発症を示す数多くの報告があるそうです。

 

職場の安全サイトーノルマルヘキサン

 

 

ノルマルヘキサンは、沸点が69℃なので、

次の工程で取り除ける、とされています。

 

 

 

工程2.蒸留し、有機溶剤を揮発

 

蒸留の温度は、130℃~180℃のようです。

 

コチラを参考にしました。

職場の安全サイトー脱脂大豆製造工程において、脱溶剤機内でノルマルヘキサンが爆発

 

 

 

工程3.温水&遠心分離でリン脂質を除去(脱ガム)

 

 

これは、圧搾の湯洗いの工程と似ています。

 

リン脂質を水に絡ませ、

遠心分離機にかけて油と分離し、取り除きます。

 

取り除いたリン脂質は「ガム質」と呼ばれ、

このガム質から「レシチン」を取り出します。

 

「レシチン」は、乳化剤として、様々な食品に使われます。

 

 

 

工程4.苛性ソーダで遊離脂肪酸を石鹸化して除去(脱酸)

 

 

そして、1.のノルマルヘキサンに続き、

この苛性ソーダも劇薬です。

 

石鹸づくりにも使われるアルカリ剤ですが、

タンパク質を変性し、油脂を乳化する作用があります。

 

肌に触れても、吸引しても、急性的に炎症が起こります。

 

取り扱い要注意です。

 

 

 

3.で脱ガムした油に、苛性ソーダを入れて、

遊離脂肪酸と反応させ、石鹸化したものを除去。

 

微量金属や色素の一部も除去されるそうです。

 

 

遊離脂肪酸とは、

油が高温で水分を含み、加水分解されて生成されるもので、

 

揚げ物をした換気扇に付着する、

ベトベト汚れを想像したら分かりやすいでしょうか。

 

 

新しい油よりも、揚げ物をした油の方が、

不純物が多くて石鹸になりやすいとも言いますし、

 

薬品抽出の場合は、この段階で、

すでに何度も加熱していますから、

遊離脂肪酸が多いと想像されます。

 

 

 

5.活性白土で脱色

 

ヨーロッパでは昔から、

布の油類を吸着し、

漂白に用いられてきたという天然の白土ですが、

日本では酸性でそのままでは活用できなかったのに対し、

 

酸処理を施すことで性質を変え、

工業的に利用されるようになったのが「活性白土」

 

 

クロロフィルやカロチノイド系の色素を吸着させて脱色。

色素類を吸着させた白土は、ろ過によって除去します。

 

 

クロロフィルは、脂溶性の成分で、

植物の葉などに含まれる緑色色素で、

植物の光合成にかかわりますが、

光や加熱によって酸化し、変色します。

 

 

カロチノイドは、自然界に存在する、

赤や黄色の鮮やかな美しい色素の総称。

600種類ほどあるそう!

 

カボチャやニンジンに多く含まれる、βーカロテン(ビタミンA)、

トマトに多く含まれる、リコピンが有名ですね。

 

抗酸化作用や抗ガン作用で知られています。

 

 

この二つは、光や温度で変色(退色)しやすい性質があります。

 

クロロフィルやカロチノイドを取り除くことで、

製造後からの変色を防ぐ

とも言えますが、

 

色素がない=酸化しても変色しない

 

というだけではないでしょうか?

 

 

抗酸化成分は、自らが退色することで、

油本体を守っている、と私は考えます。

 

 

 

6.冷却して「ろう」成分を除去

 

真冬にオリーブオイルなどを寒い台所に置いて、

真っ白に固まってしまったことはないでしょうか?

(実家が寒かった…)

 

はちみつが冷たくなって、

白く固まってしまったのを、

見たことがある人もいるかもしれません。 

 

0度~10度くらいの温度で、

 

10時間~45時間くらい冷却して、

固まった成分を除去。

 

低温下でもサラサラの油の出来上がりです。

 

 

 

 

7.高温蒸気で有臭成分を脱臭(精密ろ過)

 

 

真空状態で、

高温の水蒸気(100~130℃)を吹き付けて、

揮発性成分を除去。

 

この工程で、トランス脂肪酸が発生。

 

油脂の成分である共益リノール酸は、

加熱調理によってもトランス脂肪酸が発生します。

 

 

リノール酸の摂取過多は、アトピー、アレルギー、花粉症、

さらに心臓疾患の原因ともいわれています。

 

 

体に合う油についてはコチラの記事で↓

生理痛を抱える方に朗報!油とご飯を変えて、人生の1/4が軽やかに!

 

 

そして、油に含まれる天然ビタミンEが除去。

 

「ビタミンE」として抽出された、とも言えます。

実際に、商品となり、添加物として使われています。

 

 

「ビタミンE配合」という油もありますものね。

 

 

ビタミンEは、トコフェロールとも呼ばれ、

脂溶性の抗酸化成分。

 

フリーラジカルによる酸化作用を打ち消す力があります。

 

しかも、ビタミンEは、

フリーラジカルを消失させることにより、

自らがビタミンEラジカルとなり、

フリーラジカルによる、脂質の連鎖的酸化を阻止。

 

そして、発生したビタミンEラジカルは、

ビタミンCなどの抗酸化物質により、

また、ビタミンEに再生されるとか…!

 

なにその氷鬼…!!

 

 

でも、この工程で取り除かれてしまうので、

製品として「ビタミンE配合!」と書かれているものは、

後から添加していますが、

 

合成ビタミンEでは、抗酸化力は認められないそうです。

 

栄養素の説明 - ビタミンE(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所)

 

 

 

これらの、

 

1.原料を有機溶剤に溶かす

2.蒸留し、有機溶剤を揮発←加熱

3.温水&遠心分離でリン脂質を除去(脱ガム)

4.苛性ソーダで遊離脂肪酸を石鹸化して除去(脱酸)←加熱(発熱)

5.活性白土で脱色

6.冷却して「ろう」成分を除去

7.高温蒸気で有臭成分を脱臭(精密ろ過)←加熱

 

の工程を経て、

 

 

さらに、取り除かれた抗酸化成分などを、

人工的に足したりして、

スーパーに並ぶ安い植物油が作られます。

 

 

有機溶剤を入れ、

高温にさらし、

体に良い成分も取り除かれ、

添加物が入っている…

 

知っていましたか?

 

 

私も、今一度、こうやって調べてみて、

やはり昔ながらの方法で作られた油を選びたいな、

と改めて思いました。

 

 

なんといっても美味しいからね♡

 

油の質=お肌の質、細胞の質!

 

 

つぶつぶの学びでも、

「ものの生まれるところをよく知る。生まれるところをよく知る。」

とあります。

 

 

あなたが食べたものが、あなたになるとしたら、

どんなものを食べますか?

 

私は、毎日つぶつぶを食べます♪

 

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最後までお読みいただき、

ありがとうございました!

 

 

高杉多希

 

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コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    ちづか まみこ (日曜日, 30 8月 2020 07:48)

    安い油は、薬品で抽出されるのはなんとなく知っていましたが
    こうして具体的にていねいに、何を使ってどのように作られているのか
    改めて知ることができ、
    何を食べたいか(自分の体に入れたいか)の基準がしっかり持てました。
    ありがとうございます^^

  • #2

    髙杉多希 (日曜日, 30 8月 2020 08:07)

    まみこさん、コメントありがとうございます!

    普段は、「これが良いよ!」というのはお伝えしますが、
    良くないものはフォーカスしないようにしてます。
    でも、きちんと知ることで、ますます自信をもって、
    「圧搾油が良いよ!」とおススメできると思います♡

    具体的に調べるの、実は半日かかりました( ´艸`)

    製油会社は、おおまかな作り方は書いてありますが、
    それを詳しく掘り下げることはないので、
    各成分について追いかけていくと、なかなか分からず。
    頑張りました。お役に立てば!