昨年から、
木村秋則式自然栽培の塾に通っています。
そのご縁で、
長年、木村秋則さんの自然栽培を研究してる、
弘前大学の杉山修一さんのお話を伺う機会があり、
失敗しない自然栽培の始め方について聞きました。
そのために大切なのは、土づくりと微生物で、
最初の3年が肝心だそうです。
私のメモを頼りに、
私の思ったことや、
初めての人にも分かりやすく説明も含めて書くので、
まるっと杉山先生の話ではありませんが、
参考になれば幸いです。
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つぶつぶ雑穀料理を青森県弘前市で伝えています。
雑穀と野菜で作る家庭料理教室
たきさんちの高杉多希です。
訪問してくれてありがとうございます。
食べることが健康につながると気が付いた人は、
やはり、農薬を使わない、
より安全な食材を手に入れたいと願います。
木村秋則さんの自然栽培は、
その最先端だと私は思います。
「奇跡のリンゴ」で、
りんごの無農薬栽培に成功した人として有名ですが、
実は、野菜やお米の無農薬栽培も実現して、
日本全国のみならず、世界中から引く手あまたの人材なのです。
木村さんの農法は、
農薬を使わないために、肥料を使わないというもの。
この点が、なかなか理解できない、という方も多いです。
しかし、実際に栽培を始めると、
美味しい野菜に感動します。
その木村秋則さんの栽培方法を、
長年研究してるのが、
弘前大学の杉山修一さんです。
杉山先生のお話を伺った中でおっしゃっていたのは、
「リンゴの自然栽培は難しい」とのこと。
逆に言えば、
リンゴ以外のものは自然栽培が比較的容易である
とも言えます。
自然栽培塾では、主に水稲と野菜を栽培しています。
私も畑で野菜を育てています。
穏やかな優しい語り口の杉山先生の研究は、
自分の畑しか見たことがない私と違って、
たくさんの実際の畑や田んぼを見てきているので、
私の畑の写真をお見せしたら、
「この野菜の感じだったら、こうしたら良いですよ」
と、まさに、畑のお医者さんのようでした。
その杉山先生のお話で一番興味深かったのが、
微生物とのかかわりです。
これは、食の整え方とも通じて、
ビビビッっときました。
木村秋則さんも著書の中で、
「山の土を再現するために、大豆をたくさん撒いて、草を生やした」
ということを書いています。
それが素晴らしい!と杉山先生は言います。
農薬を使っていない場所であれば自然栽培が可能、
と思われがちですが、
豊かな土地でなければ、どんな作物も育たないからです。
では、その豊かな土はどうやって作るのか?
それには、微生物が必要なのです。
植物は、土の中の栄養を使って成長する。
と思っている人が多いですが、
土の中の栄養は、そのままでは植物が利用できないものも多く、
それを分解して、利用できる形にするのが微生物です。
ここからは、その栄養について説明します。
土の栄養と微生物の働き
例えば、主な肥料としてあげられる、
窒素N、リン酸P、カリK。
その中でも葉や茎を育てる窒素は、
地球上の空気の78%と言われます。
窒素肥料は先ず、
空気中に約80%含まれる窒素ガスを原料にして、
これと水素を反応させて合成アンモニアを作り、
つづいて、合成アンモニアをもとに
窒素量やその形態の異なる多様な肥料ができます。
参考:窒素肥料についてーアンモニアと窒素肥料について(日本肥料アンモニア協会)
窒素肥料を撒いた時、
50%は植物に吸収されますが、
残りの50%は、
空気中に蒸散したり、水に流れて行ったりして、
環境中に放出されます。
それによって、
環境の富栄養化、土壌の酸性化、大気汚染が起こり、
動植物の多様性の変化、喪失が引き起こされる心配があります。
参考:堆肥vs化学肥料(間藤 徹・京都大学大学院農学研究科)ーバイオサイエンススコープ
※PDFがダウンロードされます。
50%という利用率の低さを補うために、
たくさん窒素を畑に撒く…ということが近年行われ続け、
環境汚染は深刻なレベルになっている、
と指摘する専門家もいます。
それによると、
人為的に大気中から除去された窒素の量は、
すでに限界地を超えたとされています。
環境中に放出された窒素は、
かなりの量が硝酸イオンとなって、
地下水、川、海水に蓄積するそうです。
硝酸イオン(硝酸塩)は、
体内で還元されて亜硝酸イオンに変化すると、
呼吸阻害症の一つであるメトヘモグロビン血症の原因となったり、
発ガン性物質であるニトロソ化合物に変化する可能性がある、
とも一部で指摘されています。
参考:野菜の硝酸イオン低減化マニュアルー先端技術を活用した農林水産研究高度化事業
硝酸イオンは、主に茎や葉に蓄積しやすく、
葉物野菜などは特に注意が必要です。
では、自然栽培ではどうするのか?
それが先に述べた、
「大豆(枝豆)を育てる」という方法です。
大豆(枝豆)は、根っこに、
空気中の窒素を固定する根粒菌が付きます。
我が家の庭で育てた枝豆の根。
この丸いのが、根粒菌です。
土の中に窒素分が少なければ、根粒菌が多く、
窒素分が多ければ、根粒菌が少なくなります。
ウチの畑は肥料を与えていないので、
窒素分が足りないようで、
たくさん根粒菌がついています。
続いて、違う枝豆の根です。
こちらが、今年借りた畑で育てた枝豆の根。
まるで違いますね。
昨年まで肥料たっぷり撒いている畑なので、
窒素分が多いのでしょう。
その証拠に、もちキビが倒れるほどに大きくなりました。
この後、穂先も含めれば、2mを超え、
見事に倒れてしまいました。
前の記事で書いた郷田和夫さんの本にも、
「肥料分が多いと、伸びすぎて倒れやすい、
害虫の芯食いにあいやすい、
連作にも耐えにくくなるので注意が必要です。」
とあります。
ちなみに、根粒菌を手で潰すと、べたべたします💦
この根は、そのまま土に埋めて置き、
土に窒素分を吸収させます。
少なければ多く、多ければ控えめに供給してくれるという、
窒素の自動計測、自動供給システムが自然にはあるのです。
さらには、空気中の窒素を吸収して、
大地に還元するので、大気汚染も改善します。
長くなったので、いったんここで。
続きは、次の記事で。
今日の晩ご飯↓
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