たきさんってどんな人?

1982年にオギャーと生まれて、

人生でいろんなことを思って、

いろんなことを抱えたり、

手放したりしてきました。

 

料理教室を始めるに至った、

私の物語をお伝えします。

 

とても長いけど、

興味のある方はお付き合いくださいね。

 

お母さんになりたい。

私の小さなころの夢は、

「お母さんのような、お母さんになること」。

 

 

けど、保育園で聞かれた、

「大きくなったら」の夢に、

他のみんなは仕事を書いていました。

 

格好つけて

「スチュワーデス」

と書こうとして、

 

なぜか

「エレベーターガール」

と書いた思い出があります。

 

 

その頃から、

「夢というのは仕事」

という思い込みができ、

 

「お母さんになりたい」

という夢は、

秘めたものとなりました。

 

 

3人兄弟の末っ子として生まれた私は、

母が台所仕事をするのを、

よく見ていました。

 

 

せっかちな母にとっては、

おっとりした私はもどかしいらしく、

一緒に台所に立ったことはありませんが、

 

ケーキの粉をふるいにかけたり、

ギョウザを包んだり、

ホットプレートでホットケーキを焼いたり、

 

母の手が届かないリビングでの仕事は、

大きくなるにつれて任せてもらえました。

 

 

裕福とは言えない家庭でしたが、

父の口癖は、

「食べるのだけは困らせない」。

 

そして、母の口癖は、

「ウチのごはんが一番美味しい」でした。

 

出かけて外食して帰って来ても、

自分で作った夕飯を食べながら、

いつも言っていました。

 

父は180cmと大柄で、

私たち兄弟3人とも大きく育ち、

よく食べる家族。

 

母は毎日、朝4時には起きて、

家族のお弁当を作り、

持たせてくれました。

 

夜はおかずがたくさん並び、

自分は最後に食卓につき、

一番最初に食べ終わっていました。

 

母「美味しい?」

私「美味しいよ」

母「じゃあ、聞かれる前に言いなさいよ!

黙って食べるんじゃないの!」

 

というのが、

我が家の食卓で交わされる言葉でした。

 

 

 

美味しいと健康は両立しない?

22歳で結婚し、

24歳で長男を出産。

 

次男も生まれ、

順風満帆の人生。

 

とある漫画をきっかけに、

小学生からの健康オタクとなった私は、

 

一方で、

 

 

「美味しいだけではいけない」

 

と思い、

 

「この子たちは私が作るごはんで、

健康に育てて見せる!」

 

 

と意気込みました。

 

 

インターネットや図書館の本で調べては、

 

「どうやら動物性食品は体に悪いらしい」

「塩は取らない方が良さそう」

「油はダイエットの敵」

 

と、断片的に並べた情報に基づいて作った料理は、

美味しいと思えるものではありませんでした。

 

でも、

 

「健康よりも大事なものはない。」

「美味しいものは体に悪いものばかり」

 

と思っていたので、

 

「美味しいと思うものは、

我慢しなければいけない」

 

と、そんな料理を続けていました。

 

それでも夫には、 

母のように「美味しい?」と問いました。

 

無言だったり、

「普通」と言われたり、

「美味しいって絶対に言わない」

と言われたこともありました。

 

 

美味しくない食卓に、

どんどん夫とはギスギスして、

毎日のごはんが、

緊張感の漂うものとなりました。

 

 

 

ある日気づいた自分の変化

ある日、鏡を見て愕然としました。

 

「なんてガリガリなんだ…」

 

「私はこのまま細くなって、

いつか消えてしまうんじゃないか…」

 

170cmなのに、

42kgになっていました。

まるでガイコツのよう。

 

言いようのない不安に押しつぶされそうで、

こんなに健康に気を付けているのに、

どこか病気になってしまったのではないか?

 

思い切って、

大きな病院で精密検査を受けました。

MRIに採血。

 

朝から行って、昼までかかって。

20,000円も払った結果。

 

検査の数値は、異状なし。

 

「しっかりバランスよくご飯を食べてくださいね」

 

そんな分かり切ったことを医師に言われ、

帰ってきました。

 

 

 

食べものと自分への不信感

元より痩せの大食いな私は、

人よりたくさん食べました。

 

「たきさん、まだイケるよね?」

とママ友との持ち寄りランチの最後の一口は、

大抵、私の所に集まってくるくらい。

 

こんなにご飯も食べてるし、

甘いものをやけ食いしても、

一向に増える気配のない体重。

 

漢方薬局で、

一ビン6,000円の錠剤を買ったり、

色んなことをしていました。

 

肉や塩や油は体に悪いのに、

と思っていても、

 

突然「焼き肉が食べたい!」と思う自分に、

 

子どもに隠れて甘いものを食べる自分に、

 

自己嫌悪が募っていきました。

 

 

それと同時に、

 

「美味しいものを食べても、

美味しいものを我慢しても、

健康になれないじゃないか」

 

と、食べ物への不信感が芽生えていきました。

 

 

つぶつぶ料理との出会い

2010年3月から、

夫の転勤で住んでいた八戸市で、

自然育児サークルを主宰していました。

 

私よりも知識の深い、

化学の研究をしてた人、

学校の先生など、

いろんな職業のお母さんが居ました。

 

子どもが居なかったら、

きっと出会えなかった友人との関係は心地よく、

3年間の八戸生活はとても楽しいものでした。

 

そんな中で、仲間の一人から、

「こんな料理教室があるよ」

と誘われたのが、

 

十和田自然栽培研究会が行った、

雑穀料理の教室でした。

 

 

 

現在、十和田市でつぶつぶマザーとして、

大活躍中の石井ともみさんが講師でした。

 

 

雑穀料理?

八戸から十和田まで??

 

料理のためにお金を出して学ぶ???

 

 

どちらかというと、

渋々、といった気持ちで参加したのでした。

 

 

 

「美味しいと思うくらい入れてもいいんですよ」

正直に言うと、

その時に食べた料理は、

「しょっぱいな」と思ったくらいで、

 

心底美味しい!

とは感じませんでした。

 

今なら分かりますが、

私の体が、

減塩に慣れ切っていたのでしょう。

 

 

石井さんがテーブルを回り、

「いかがですか?」

と声をかけてくださったとき、

 

私が無難に「おいしいです」と言おうとしたら、

 

同じテーブルの年配の女性が、

「しょっぱいです」と言いました。

 

 

そしたら、

石井さんがにこやかに、

 

「普段、減塩している方にとっては、

しょっぱく感じるかもしれません。

 

でも、お塩は体に必要なものなので、

美味しいと思うくらい入れていいんですよ」

 

と言いました。

 

 

へ~そうなんだ。

くらいに思って、その日は家に帰りました。

 

 

清水の舞台から飛び降りる気持ちで

「美味しいと思うくらい入れていいんですよ」

 

その言葉が、

耳に残っていました。

 

それまで何年も、

「塩は健康の敵」

と思っていたので、

 

大量の野菜に、

ひとつまみの塩でも、

怖々と入れていました。

 

 

でも、

すがるものは、

もう何もない。

 

 

今よりも健康状態が、

悪くなることは無い。

 

だったら!

 

と思い切ることにしました。

 

 

それまではレシピを見ても、

こんなに入れては体に悪かろう、

と減らしていたのを、

塩をレシピ通りに入れてみました。

 

 

 

あっという間に表れた変化

レシピ通りに作る味付けは、

減塩では物足りない夫も

受け入れてくれました。

 

美味しいとは言わないけど、

「食べれる」

くらいには言うように。

 

 

そうこうしてるうちに、

体重に変化が表れました。

 

 

どれだけ食べても増えなかった体重が、

3か月で5kg増えました。

 

 

「私に足りなかったのは、塩だったのか…!」

 

 

衝撃でした。

 

 

「これは本物かもしれない…」

 

 

それでも疑り深く、

調べることが大好きな私は、

すっかり受け入れるということもなく、

 

ただ、

 

調味料は信頼できるものを、

しっかり使おう、

 

ということだけは、

続けていきました。

 

 

なかなか受け入れられない心

自然育児サークルの中でも、

つぶつぶ料理が流行り、

 

持ち寄りランチをしたりしたので、

つぶつぶ料理のレシピ本を買って、

いろいろ作ってみることにしました。

 

幸いなことに、八戸は、

雑穀の主要生産地に近く、

直売所でも雑穀が手に入りました。

 

調べてみると、さすが雑穀。

 

栄養も豊富で、これは良さそうだ!

と食卓に少しずつ取り入れていきました。

 

 

すると、美味しく出来るものと、

上手く出来ないものがありました。

 

 

 

「レシピに書いてる通りに作ってるはずなのに?」

「きっとレシピが何か間違っているんだ」

 

そう自己完結していました。

 

また、馴染みのない食材を見つけては、

「わざわざ揃えるのも大変だし」

 

と理由を付けては代替品を探しました。

 

 

今思うと、

その労力をかけるなら、

素直にレシピ通りの材料を揃えた方が、

何倍も楽と思いますが、

 

当時は「それが賢い主婦」

くらいに思っていました。

 

 

そんな風に作っていたので、

夫も「また変なの始めた」という感じ。

 

 

「これって、こういう料理なの?」

「すげぇ固いんだけど」

「食べれるけど美味しくない」

 

と言われる有様でした。

 

 

仲間の居ない地元へ

なんでも話せる友達。

美味しいと語り合う仲間。

ディープな健康情報を語り合う関係。

 

それが突然切れたのが、

2013年3月。

 

夫の転勤で、

地元・弘前に戻りました。

 

 

つぶつぶ料理を持ちよって、

美味しいねと笑いあう。

 

そんな仲間が失われて、

 

長男の入学、次男の入園と、

毎日に追われ、

心がすり減るような感覚でした。

 

そこで私が思ったのは、

 

「弘前でも、

つぶつぶ料理を楽しむ仲間を増やしたい!」

 

「この素晴らしい理論を、

知らないのはもったいない!」

 

ということでした。

 

 

全部のレシピが、

美味しくは作れないけど、

雑穀と伝統の調味料で作る料理は、

体の健康には欠かせないもの。

 

 

少しずつでもイイ。

 

 

仲間を増やしていこう。

 

 

そう思った矢先に、

「つぶつぶ料理コーチ認定制度」

のお知らせが届きました。

 

 

 

思いがけない東京通いで

そこには、こう書かれていました。

 

「つぶつぶ料理を教えても良いのは、

認定コーチだけ」

 

「認定コーチになるには、

一年間の未来食スクール基礎を

修了することが前提」

 

 

単発のセミナーにも、

夫に申し訳なく、

罪悪感を抱えながらの参加でした。

 

 

それが、月に一度、東京に一年通う!?

 

 

しかし料理教室をすると決めていた私は、

 

「料理教室を始めるために、

通わなければいけないの」

 

と、説得でもお願いでもなく、

決定事項であることを、

夫に告げただけ。

 

 

夫の反応は、

 

「そう。

俺を巻き込まないなら、

どうぞ好きにして」

 

というものでした。

 

この頃は、

熟年離婚が頭をかすめていました。

 

実際に「別れよう」と口に出して、

口論になってことも何度もありました。

 

 

 

見て食べるだけで美味しくなる料理

未来食スクール講師の郷田未来さんと。
未来食スクール講師の郷田未来さんと。

 

 

東京の未来食スクールは、

衝撃の連続でした。

 

 

レシピには載っていない、

細かいコツやポイントの数々。

 

講師の郷田未来さんの手さばき。

 

 

出来上がった料理は、

我が家にあるレシピ本と同じなのに、

輝きすら違うように感じられました。

 

 

口に運ぶ前から美味しいことが、

匂いから感じられ、

 

口に入れた瞬間に、

笑顔がこぼれる。

 

 

口を開けば、「美味しい!!」と叫ぶ。

 

 

今まで食べていた料理は、

「私の思い込みで作ったものだった!」

と分かりました。

 

 

スクールから帰って、

 

作る様子、出来上がりの質感、匂いと味…

 

全てを思い描きながら作った料理は、

 

以前とまったく同じ

材料を使っているのに、

全然違う味わいに変化。

 

 

そして、一月、二月と通ううちに、

ぐんぐん美味しくなりました。

 

 

スクールに通うこと無く、

料理教室を開いていたらと思うと、

ゾッとします。

 

 

叶った小さなころのたくさんの夢

未来食スクールと並行して、

つぶつぶ料理コーチ認定講座を受講し、

 

2016年1月、

念願の料理教室を開講しました。

 

 

周りには、

雑穀料理を全然知らない人ばかりだったのが、

 

気づけば、

一緒に楽しむ仲間が増えていきました。

 

 気が付けば、

夫が料理に文句を言わないばかりか、

「これ、美味しいね」

と言うようになり、

 

夫との仲も良くなりました。

 

 

料理教室を始めた年に受講した

天女セミナーから帰った日に、

「家を建てよう」

と夫が言いだし、

 

とんとん拍子で、

岩木山が見える場所に、

念願の家が建つことになりました。

 

 

目標にしていた、

 

「生徒さんがお店を開いて、私が食べに行く」

 

という未来も、

 

2018年12月、

「油屋福六」さん内に出来た、

「むすび庵」さんの

安藤絵里香さんが叶えてくれました。

 

※現在は「北の魔女の家」を営業しています。

 

 

そして、料理教室をしている中で、

思い出した夢もありました。

 

それは、

「何かを教える人になること」

 

 

勉強が好きだった小学生の私は、

分からない人に教えるのが楽しく、

 

でも、小学生相手に勉強を教える未来は描けず、

 

ただ漠然と「何か」を教える人になりたいな、

と思っていました。

 

 

知らない間に叶えていたことに、

自分でも驚きました。

 

 

そして、

母の口癖だった、

 

「ウチのごはんが一番美味しい!」

 

を、何も催促しなくても、

夫が言ってくれるようになりました。

 

熟年離婚を考えていたのが嘘のように、

新婚時代よりも仲良くなりました。

 

 

今描く夢は

雑穀と野菜を使った、

健康を意識した料理教室ですから、

 

来てくださる生徒さんは、

 

「料理が苦手で…」

「実は持病があって…」

 

と、

なかなか言えない悩みを

抱えた人も多いです。

 

 

ご相談いただいた時は、

 

私が小学生の頃から積み上げてきた知識や、

夫婦関係改善のために勉強した心理学、

つぶつぶ料理を通して得た、

食といのちと体の関係などを、

 

持てる限り、

惜しみなくお伝えしています。

 

 

生徒さんが晴れやかなお顔で、

「まるでカウンセリングを受けたように、

心が軽くなりました」

と帰っていったり、

 

「食事を変えたら、

夫がお代わりしてくれるようになりました!

私もすごく元気になりました!」

 

とご報告いただいたりすると、

とても嬉しいです。

 

 

 

頑張って生きる人に、

なんと生きにくい環境だろうと、

嘆きたくなることもありますが、

 

 

食の土台をしっかりすると、

体が元気になり、

心も安定し、

 

ちょっとやそっとのことでは、

動じなくなることも、

自分の体で体験済みです。

 

 

「つぶつぶ料理を楽しむ仲間が欲しい!」

というきっかけで始めた教室ですが、

 

今では、

 

「つぶつぶ料理を楽しむことで、

人生を楽しむ仲間を増やしたい!」

 

と思っています。

 

 

そして、

 

「ウチのごはんが一番美味しい!」

という人を、

たくさん増やしていきたいです。

 

 

料理教室については、 

まだまだ試行錯誤の真っただ中ですが、

それすらも人生の楽しみ!

 

ぜひこれを読んでくださった方も、

私の今後を

楽しみにしてくれればなと思います。

 

 

そして、もし良かったら、

つぶつぶ料理を

一緒に楽しみましょう♪

 

 

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

 

たきさんち 高杉多希

 

 

 

 

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